06/09/02 23:54:32
昨夜は久しぶりに姉ちゃんと外食したんだよ。
レストランはそこそこに混んでいてガヤガヤうるさかった。
特に隣の家族がうるさくって、姉ちゃんとちょっと顔を見合わせて苦笑いをしたぐらいでした。
父親が子供にいろいろ質問しては笑い、っていうのがえんえん続いてこっちも正直うんざりした。
しかも、その父親がやたらと大きく咳き込むので実際うっとうしかったんだ。
しばらくすると、姉ちゃんがその家族の父親を見て、
「ちょっとあのお父さん見て」と言うんだ。
見つめるのも失礼だから、向かいの鏡越しにその親父の後姿を見てみたよ。
咳き込むたびにハンカチを口に当てていてそれをポケットにしまうのが見えた。
ハンカチは血だらけでした。
咳き込んだあとは赤ワインを口に含んで子供たちにばれないよう大声で笑いごまかしてんのさ。
向かいに座っていた彼の奥さんは笑ってたけど、今にも泣きそうな顔だった。
奥さんはどうやら事情を知っているみたいだったよ。
その父親が何らかの重い病気なのは明らかでした。
姉ちゃんはちょっともらい涙してました。
帰りに俺は無神経にも「今日はなんか暗い感じになっちゃったな。」と姉ちゃんに言ったんだ。
姉ちゃんはちょっと沈黙を置いて、
「・・・・・かっこよかったじゃんあのお父さん」
「ああいうお父さんになってね」って涙声で俺に言いいました。