13/09/12 15:13:34.64 j+/MvJQQ
最近読んだ小説の登場人物にミニマリズムを感じたのでその描写を抜粋。
”広瀬には物を収集する性癖がなかったので、部屋は閑散としたものだった。
もともと部屋に物が溢れていると落ち着かないタイプで、できるだけ何も持たないようにしている。
一間の押入れがあるのをいいことに箪笥でさえ置いてない。
六畳の部屋にはテーブル代わりの炬燵がひとつと、本棚が一本、テレビ台代わりの三段ボックスがひとつだけ、家具はそれで全部だった。
広瀬は本を読むのは好きだったが、部屋に本が溢れるのは嫌いだったのでできるだけ図書館を使うようにしている。
買った本も読んでしまえばほとんどは処分するので、その本棚にあるのは教科書と、若干の写真集だけだった”
『魔性の子』小野不由美