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原型となるものは1920年GE社の Albert Hull により発明された(1916年は静電制御型発
振管の特許を回避するために磁力制御型の開発を開始した年)。
1927年東北帝国大学の岡部金治郎により「分割陽極型マグネトロン」が開発され国内で発表
された。これによりマイクロ波の発振が可能になった。1928年にはアメリカの学会で八木ア
ンテナと共に英文論文も発表された。
その後なぜか「陽極分割型マグネトロン」は1934年2月28日にRCAのErnest G. Linderによっ
て米国特許が出願され取得された。1935年にドイツの Hans Hollmann が「多分割共鳴空洞
マグネトロン」として改良発明し、1940年にはイギリスの John Randall と Harry Boot が
水冷式の大出力マグネトロンを開発した。そして奇妙なことに日本軍がそれらを再発見する
ことになる。
1940年代に第二次世界大戦で使うマイクロ波レーダーの共同開発のためイギリスからアメリ
カ合衆国に上記の技術がもたらされて、連合国側の勝利に貢献することになる。
日本はマイクロ波マグネトロンと八木アンテナという要素技術を他国に先駆けて発明していた
のに、軍や産業界の無理解により太平洋戦争の開戦までにマグネトロン パルスレーダを実用
化していなかった。ドイツを中心とした海外情報を元に旧式の3極管発振と非八木アンテナの
低性能なレーダだけを実用化していた。当時の技術開発は外国で完成済みの兵器体系を国産化
してコピーすることであり、自力で演繹的に開発できなかった。日本軍は、1942年1月にアメ
リカ領フィリピン、2月にイギリス領シンガポールを陥落したときに接収したパルスレーダー
をコピーしているが、これも、ほとんど間に合わなかったとされる。1946年にマグネトロンが
発するマイクロ波が食品の温度を上昇させる効果がパーシー・スペンサーによって発見され、
これが電子レンジの端緒となった。現在でもレーダー・電子レンジの 高周波源として利用さ
れている。