12/04/30 23:43:05.53 B6fhI1+O
呼吸によるATPの生産とそれ以外の生物学的仕事によるATPの消費が生命活動のエネルギー変換であり、ATPの代謝回転である。
ATPの生産効率とは呼吸のエネルギー効率のことであり、呼吸基質に蓄えられている自由エネルギーが、ATPの自由エネルギーに移転する割合である。
ATPの消費効率はATPに蓄えられていた自由エネルギーが、仕事に変換される割合である。
生合成仕事であれば、これは生合成産物へ移転する自由エネルギーの割合ということになる。
生命活動のエネルギー効率は、呼吸基質に蓄えられている自由エネルギーが仕事に変換される割合である。
式で表現すると、
URLリンク(www.obihiro.ac.jp)
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であるから
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となる。
ATPレベルは不変であるから、生命活動の総決算としてのこの式には表に出ないことに注意したい。
さて、呼吸基質の消費効率も、その他のATP消費効率もともに約50%であることが推定されている。
したがって、生命活動のエネルギー効率は約25%である。人体の場合には約20%という値も報告されているが、ここでは25%とみなしておこう。
この違いはATPの加水分解によって放出される自由エネルギーの大きさが細胞内のpHや、ATP、ADP、燐酸などの濃度に応じて異なることに由来する。
代表的な呼吸基質グルコース1モル(180g)が放出する自由エネルギーは686kcalであり、
その25%の約180kcalが仕事に変換され、残り75%の約500kcalは熱として散逸することになる。
ヒト(60kg)が一日に摂取する必要カロリーを約2000kcalとすると、これはグルコース約3モル(540g)に相当する。
一日に約500kcalが仕事に変換され、約1500kcalの熱が生産されていることになる。
人体の比熱を1とすれば、一日に25゚、一時間当たり1゚の体温上昇が生ずるが、呼気や発汗などによって体温をほぼ一定に保っている。
成人(成長ゼロ)の一日の生命活動を式で表現すると、
グルコース(540g)+酸素(576g) ? 生物学的仕事(500㌔カロリー)+炭酸ガス(792g)+水(324g)+熱(1500㌔カロリー)
となる。
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