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チェルノブイリ事故についてIEA(国際エネルギー機関)など8国際機関とロシア、ベラルーシ、
ウクライナ3カ国の報告書(2006年)、ならびに国連科学委員会放射線部会の報告書
(2008年)のポイントは以下の通りだ。
▼急性被曝による死者は50人以下。
▼甲状腺疾がんの発症者は被災地居住者約500万人のうち4000人程度。そのうち死者は0.2%程度。
発症率は他地域比で10倍と推定され、15歳以下の児童が多い。原因は事故直後に汚染された食物、特にミルクや乳製品によるものだ。
▼同地域はソ連邦崩壊の社会混乱にも直面し、寿命の短縮などの健康被害があった。それもあって放射線による健康被害の全体像は明確ではない。
ただし結論としては、「放射線医学の観点からみると、ほとんどの人々が、将来の健康について概して明るい見通しを持てるだろう」(国連報告)という。
そこでチェルノブイリ事故の放射能対策に関わり、福島も視察したロシア科学アカデミーの
ミハイル・ロバノフ氏がコメントを寄せている。同氏は事故後の福島にも滞在した。
以下抜粋する。
「チェルノブイリの損害のほとんどが、1986年5月に、汚染された地域で生成された、
放射性ヨウ素を含んだミルクを飲んだ子どもの高い甲状腺癌発生率に帰着しました」
「福島では、 子どもが2011年 3月から4月にかけて、放射性物質を含むミルクを飲まなかったことにより、
この種の放射線被ばくは非常に小さかったといえます。このため、近い将来あるいは、遠い将来、どんな甲状腺疾患の増加も予想できません」
「チェルノブイリ周辺の放射性セシウムに晒された地域の居住者の長期被ばくがどのような影響を与えたかについて、
25年間にわたる細心の医学的経過観察および科学研究は、ブリャンスク地域の人口における特別の疾患の増加を示しませんでした」
こうした各種の専門家による情報を見ると、チェルノブイリでは低線量被曝による健康被害が大規模に発生していないという事実が分かる。
これは福島に、とてもよいニュースだ。(なぜか日本のメディアは伝えていない。資料読み込みと勉強の不足だろう)