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「がんばろう日本」は どこに行った?
塩野 七生(作家・在イタリア)
一年ぶりに帰国した日本で、日本人の残酷さに直面して愕然としている。世に言う「風評被害」
である。
都五山送り火をめぐつての一騒動。
愛知県日進市で起った花火をめぐる騒ぎ。
大阪府河内長野市の、橋桁をめぐる騒動。
福島県産というだけでの、食品への拒絶現象。
これらは日本のメディアさえも問題視した例で、これ以外にも表面に出てこない
ヒステリー現象は数知れず存在するにちがいない。しかもそのほとんどは感情的なものに
すぎず、単なる思いこみだけで日本人が同じ日本人に対して拒絶反応を起しているのだから、
卑劣な振舞いと言うしかないのである。
各地で起っている放射能騒ぎに至っては、醜悪以外の何ものでもない。このような母親を
見ながら子供は健全に育つと思っているのだろうか。
『文藝春秋』十二月号のP.92・93