12/12/29 20:40:44.95 ZEAZ8X9Z
>>360
時代の業も関係あるようだ。
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34歳のクリシュナムルティは、救世主にひれ伏そうとする人々を突き放した。神に寄り掛かり、依存しようとする連中を、神が殴りつけたも同然だった。
「〈真理〉は途なき大地であり、いかなる方途、いかなる宗教、いかなる宗派によっても、近づくことのできないものなのです」―あまりにも有名なこの発言がその後のクリシュナムルティの運命を象徴していた。
1929年(昭和4年)といえば、まだまだ人権意識は乏しく、日本の貧家に生まれた女性が遊郭に売り飛ばされていた時代である。
曽根富美子著『親なるもの 断崖』に描かれているのがまさにその昭和初期なのだ。口減らしのために工場に送られたり、間引きされる赤ん坊もいたような時代だ。
クリシュナムルティの進取性はどれほど評価したとしても、評価され過ぎることはない。第一次世界大戦は1918年に終わっていたが、第二次世界大戦が勃発するのは1939年のことだった。
国家が国民の殺人装置として機能していた時に、静かな口調で断固として「自由」を説いた青年がいたのだ。これ自体が奇蹟であり祝福であろう。