09/04/21 00:24:42 FGHnSnKD
>>345
仏教は「唯物論ではない」と主張され、永遠に存続する魂や神々の存在を仏教は説いたと主張されます。
わたしは、仏教の「無我」の思想はそういう「永遠に存続する魂」を否定するものであり、
仏教は人間の認識のとどかない形而上学的領域(神々の世界や、死後の世界など)に関する断定を知識として認めず、
有神論を批判したと主張します。
われ(アートマン)というものはない。
また、わがものというものもない。
すでにわれなしと知らば、
何によってか、わがものがあろうか。
(相応部経典22.55 増谷文雄訳)
これが、ブッダの思想のもっとも基本的な教えの一つである「無我」の思想です。
「無我」の思想は、単に、自己中心主義を否定しているのではありません。
ブッダはバラモン教の教えである魂の輪廻説を否定したのです。
後代の仏教はやがてバラモン教(ヒンズー教)の教えを再び導入してしまいますが、
魂の輪廻説を否定したブッダの「無我」の思想は、いくつかの禅の伝統にはまだ生き残っているように思えます。