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★出直し大阪市長選、市民「選挙の実感がない」
9日告示された大阪市長選は、都構想の推進を掲げて論戦を挑もうとする前市長に対し、
主要政党がそろって候補擁立を見送る異例の構図でスタートした。
選挙カーが行き交い、演説が響くいつもの選挙とはほど遠い静けさで、戸惑う有権者も少なくなかった。
午前10時、日曜日でにぎわう大阪市中央区の難波。駅前ロータリーに選挙カーで乗りつけた
前市長の橋下徹氏は「今の市役所はでかすぎる。時代にふさわしい役所に作り直す」と約1時間、
都構想を解説した。ただ、立ち止まる聴衆は2年余り前の知事、市長のダブル選には及ばない。
買い物中の同市淀川区の会社員(29)は、なぜ都構想の議論が進まないのかを知りたいという。
「橋下さんの話を聞くと、二重行政を解消する都構想のメリットはわかる。だが、どんなデメリットがあるのか、
反対する政党の主張を聞きたかった。一方が訴えるこんな選挙では議論も盛り上がらない」と残念そう。
橋下氏はこの後、JR大阪駅前に移動。
街頭演説の会場に居合わせた他候補に「選挙に出てくれてありがとう」と感謝。聴衆からは笑いも起きた。
午後1時、住民4人に1人が生活保護を受ける西成区。西萩北振興町会長(74)は昼食を終えて自宅にいた。
7日に全面開業した日本一の高層ビル・あべのハルカスも徒歩圏内だが、この辺りまでにぎわいは届かない。
「生活保護受給者と高齢者ばかりで、商店も経営はみんな苦しい。何とか改善してほしい」と町会長。心配は地域の将来だ。
>>2へ続く
(2014年3月10日10時00分 読売新聞)
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