14/02/23 22:48:35.68 0
1月の貿易収支(輸出と輸入の差額)が、2兆7900億円の赤字となった。財務省がこのほど発表した。
19カ月連続の赤字で、単月の赤字額としては、比較可能な1979年以降で最大だ。
内訳を見ると、輸入額が前年同月比25%と大幅増。一方の輸出額は、前年同月比9.5%と小幅な伸びに
とどまった。
この傾向に対し、「貿易立国の基盤が揺らいでいる」といった懸念の声が、政治家・マスコミなどから
出ている。安倍政権の「円安で輸出企業を稼がせ、景気を上向かせる」という戦略が誤算に終わった
のではないか、という危機感も高まっている。
しかし、貿易赤字の是非は一概に言えない。日本人にとって「貿易赤字」という言葉の印象は悪いが、
本来、貿易赤字を警戒するべきなのは、国内消費が脆弱で、雇用も輸出に依存している途上国だ。
さらに、日本の輸出依存度は低い。2012年で13.4%で、世界190カ国・地域の中で150位。日本はもはや
貿易赤字そのものを警戒しなければならないような、貿易立国ではない。貿易収支が赤字でも、
国内消費の方が好調であれば問題ない。そもそも輸入が多いということは、多くの物を消費している
ということでもあり、経済的な豊かさの現れと言える。
この貿易赤字傾向に関して、「日本の経済モデルが、次のステップに入りつつある」という指摘もある。
安倍政権以前まで続いた円高の状況を生き残るため、多くの企業は海外進出を進めた。資金と技術を
海外に持ち出し、そのリターンで稼ぐ構造へとシフトしていった。
その稼ぎは「所得収支」と言われ、その額は「貿易収支」を上回っている。「所得収支」と「貿易収支」などを
合わせた「経常収支」は、貿易赤字が最大になった今もなお黒字だ。
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