14/02/18 16:19:59.66 qpO285v5O
STAP細胞の論文に疑念が生じていると言う。再生分野には門外漢の私にとっては画像のことはわからないが、この論文には免疫屋には気になる点がいくつかある。
リンパ球のTCR rearrangementのデータには酸処理前のPCR像がないしリンパ球全体ならB細胞のnon-arrangedバンドもありそうなものなので免疫学者にいわせれば
ちゃんとしたコントロールがないように思える(Extended Dataとポジコンが逆になっているのかもしれない)。可能ならSTAP-stem cellのほうのrearrangmentの検証も欲しい。
GFP陽性もFACSを見慣れている分野の人間からすると自家蛍光としっかり分けられているのだろうかと思う。自家蛍光は実はかなりやっかいで薬剤処理して死にかけたような細胞は変に蛍光を出す。
もちろんRT-PCRで確認されているのでそんな初歩的なことは問題ないのだろう。。。しかし再現性の問題を指摘している研究者もいる。
線維芽細胞では難しいということであれば、やっぱり新生児には元になる幹細胞がはじめから存在すると言うことではないか(論文では線維芽細胞でもできるということだったが)。
もちろんそれがストレスで万能性を獲得できるという解釈でもすごい発見のように思える。簡単な方法で広範な組織から万能細胞が出来るというのが売りなのだから
museのようにHPなどで誰でも再現できる方法を明示してもらいたいものだ。
山中先生はその点かなり冷静で、過去にも消えて行った幹細胞の報告はいくつかあるとして
”再現性と互換性”の検証が重要と指摘されている。”技術”であればしごく当然のことのように思える。
誤解ないようにまとめると私の疑問は、もともと新生児内にあった幹細胞がストレスで胎盤にまでなる万能性を獲得するのか、
それともある確率でどんな分化した細胞も酸処理で万能化するのか、どちらなのかという点。
著者らはもともとの幹細胞(rearrengeなし)でない分化したT細胞(rearrangeあり)からでもSTAP細胞ができる、
ということを示したいのでTCR-rearrangementの実験をされたのだろう。ただそれが論文で示されているデータだけで十分ではないように思う。
例えばSTAP-stem cellやキメラマウスでPCRすればどちらか決着する可能性が高い。
もちろん前者であっても大きな発見のように思えるが、その場合はMuse細胞との違いが気になるところだ。
Muse細胞はテラトーマは作らないそうなので明らかに違うが、似たものか、Museが変化したのか、全く別物なのか。