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★新電力で成長、東電出身者に託す 自由化にらむVB
2014/2/11 7:00
福島第1原子力発電所の事故を起こした東京電力のグループ企業から、技術系社員を積極的に移籍、
採用する企業がある。省エネルギーサービスを手掛ける洸陽電機(神戸市)だ。地熱発電の技術者
9人を昨春までに移籍させただけでなく、水力や原子力の専門家の移籍も進める。大型発電所の建設、
運営には経験者の力が不可欠。電力会社が独占してきたノウハウを手に、来年に迫る小売り自由化
での成長をうかがう。
■入社以来、地熱資源を担当
熊本県小国町、北海道上川町、東京都八丈町……。洸陽電機が地熱資源の調査をし、地熱発電所の建設
・増設をうかがう地域だ。これまで1つも建設稼働の実績はないベンチャー企業が、複数の拠点で活動を
続けられる背景には、経験豊富な「東電OB」の存在がある。
松山一夫氏は1980年に東電子会社の東電設計に入社してから、一貫して地熱資源の開発に携わってきた。
現在、1000キロワット以上の大型発電所としては国内最後の新規稼働になっている東京電力八丈島地熱
発電所の計画立案を担当した経験もある。
松山氏らはその後も東電グループの内部で地熱の開発を続けてきたが、思うようにならなかったことが
多かったという。「八丈島発電所は3300キロワットの出力がある設備だが、2000キロワットの運転しか
していなかった」という。蒸気をくみ出す井戸が1本しか無く、定格出力に達しないのだ。「担当としては
工事をして井戸を増やしたかったが、離島の八丈島で掘削すれば8億円はかかると言われて、止められてしまった」
八丈島の主力電源は火力だ。巨大な東電の組織の中で、強い発言力を持つ火力部隊は地熱の拡大に首を縦に
振らなかった。地球温暖化対策が叫ばれていた中でも、地熱を拡大しようとする機運は社内では一向に
広がらなかったという。(以下略)
URLリンク(www.nikkei.com)