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「脱原発」は果たして争点になったか。都知事選で当選した舛添要一さんは「私も脱原発だ」と言っていた。
次点も次々点も脱原発候補。そう見れば決着がついたとも言えるのだが…
▼投票した都民にも見守った側にも、すっきりしない思いは多いだろう。
舛添さんの「脱」の熱意はあまり強そうではなく、応援した安倍政権は「原発依存度は下げていく」と言いながら再稼働に前のめりだから
▼舛添さんを選んだ有権者の気持ちを想像してみると2通りが浮かぶ。脱原発を願う一方で別の要素をもっと重視した人と、
原発は必要との立場で舛添さんの熱意の弱さを信じた人―である
▼選挙は、色んな思いを込めてたった1人を選ばなければならない。まじめな有権者ほど選択に悩んだに違いない。
当選したたった1人の代表は、そんな苦悩の選択に思いをはせて民意を「畏(おそ)れ」てほしいと願う
▼哲学者の國分功一郎さんは「政治は多と一を結びつける無理な営みだ」と書いている(「来るべき民主主義」幻冬舎新書)。
市民の意見は多様なのに、一つの結論を出さなければならない難しさを言ったものだが、「当選」も、同様に困難な営みの結果だ
▼しかし、だからといって舛添さんが公約を軽視しても許されるわけではない。電力の最大消費地としての責任をどう考えるか。
都政の今後を、都民以外も見守っていく必要がある。
北海道新聞 2014・2・10
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