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★社説:日中と世界―歴史に学んでこそ
いまの日中関係を第1次世界大戦前の英独関係になぞらえた安倍首相の発言が、欧米で波紋を広げた。
この騒動が意味するところは何だろうか。
首相はスイスでの内外メディアとの会合で、「大切なことは(日中で)偶発的な衝突が起こらないようにしていくこと。
今年は第1次世界大戦から100年目。イギリスもドイツも、経済的には依存度が高かった最大の貿易相手国だったが、戦争が起こった」などと語った。
首相は「発言には何の問題もなかった」と強調する。
ただ、会合の出席者の驚きは、日中対立の当事者である首相が、武力衝突の可能性を完全に否定しなかった点にあるようだ。
いまの東アジア情勢を当時の欧州と重ねる論調は、欧米にもある。だが、「訳知り顔の評論家でなく、日本の指導者が言えば衝撃は大きい」(英BBC)というわけだ。
侵略の定義は定まっていないといった発言から、首相は欧米メディアから「歴史修正主義者」と見られてきた。
各国の新聞紙上では、首相の靖国神社参拝を批判する中国と、中国の軍備増強こそ脅威だという日本の外交官の論争が続いている。
そんな下地があるところに、首相はスイスで自ら参拝の正当性を主張し、中国をなじった。
そこで「緊張緩和への行程表は?」と問われ、「あるというわけではない」と首相が答えれば、記者たちが背筋の寒い思いをするのは無理もなかろう。
首相にとってこの騒ぎは心外なのだろう。しかし、欧米の反応ぶりは、日本人が考えている以上に深刻に、日中関係は「危ない」と見られていることの表れだといえる。
このことは、首相自身も、そして私たちも謙虚に受け止めたほうがいい。
これを機に頭を冷やし、今後の関係改善につなげるよう、理性的な努力を日中双方の当事者に求めたい。(>>2-3へ続く)
朝日新聞デジタル 2014年1月28日(火)付
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