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傍観者効果
よく都会の人は冷たいとか、困っていても誰も助けてくれないなどと言われます。
都会の人が、見知らぬ人が困っているときにどうするかといったことを扱った社会心理学の研究があります。
それらの研究は、ある事件に端を発しています。
1964年のある日の夜、ニューヨークの住宅街でキティ・ジェノバースという女性が帰宅途中に男に襲われました。
女性が襲われたときに悲鳴をあげたため、男はその場を立ち去りましたが、誰も出てくる気配がなかったのでもう一度戻り、女性に暴行を加えました。
そのようなことを数回、30分にも渡り続け、とうとう女性は殺害されてしまいました。
この事件が特異なのは、犯人ではなく周囲に住んでいた人々のほうでした。
事件後の調べによると、なんと38名もの人が女性の悲鳴を聞いていたというのです。
しかし、窓際から外を見ても、特になにもなかったため警察に通報することもなかったというのです。
しかも、1度だけならず2度3度、女性の助けを求める叫び声を聞きながらも、誰一人助けることもなかったのです。