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社会心理学【一級市民と二級市民 (内集団バイアス・恨みに訴える論証)】 つづき
・一方、恨みに訴える論証とは、人々がある物事に対して抱いている恨みの感情を利用して、自己の主張を認めさせようとする詭弁です。
恨みに訴える論証と内集団バイアスを同時に利用した例として、ドイツで起きたユダヤ人虐殺を挙げましょう。
差別側:アーリア人(ドイツの多数派民族)被差別側:ユダヤ人(ドイツの少数派民族)
1922年、ドイツの通貨が暴落して、国民のそれまでの貯蓄や給料は紙切れ同然と化してしまいました。そのとき、ユダヤ人達だけは逸早く
お金を証券や土地、金などの(インフレでも価値が下がらない)資産に投資し、財産の目減りを阻止していました。
しかし、この一件で、ユダヤ人はアーリア人の妬みを買ってしまったのです。その後、アメリカに端を発した世界大恐慌により、ドイツにも大量の
失業者が発生して、国内からは体制に対する不満が噴出しました。
この頃、ナチスが国民に向けて、「不況を作り出したのはユダヤ人だ」とする演説を行い、アーリア人の怒りと恨みを煽ったのです。
ナチスは、ユダヤ人が劣った民族であると宣伝するために、アーリア民族は類人猿から進化した優良種で、ユダヤ人は下等な猿から進化した
劣等種であるとする学説(優生思想)を発表しました。しかし、この学説はニセ科学による全くの捏造なのです。
しかし、アーリア人はユダヤ人を妬んでいたため、ナチスの学説は大衆に受け入れられ、ナチスは選挙に勝利しました。その後、ユダヤ人は
強制収容所に移され、500万人~700万人(Wikipedia出典)がガス室で虐殺されたと言われています。 優生思想とは、人間に生まれつきの
優劣の差を設定し、劣等・不要と判断された人々を蔑視・否定する思想のことです。ナチスは「我々を不幸にしたのはユダヤ人だ!(恨みに訴える論証)
我々の方が優れた民族だ!(内集団バイアス)」と主張し、優生思想を実現させたのです。