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★秘密法反対「残りわずかな命を捧げる」瀬戸内寂聴さん
2014年1月11日04時02分
年内に施行される特定秘密保護法に対し、作家の瀬戸内寂聴さん(91)が「若い人たちのため、
残りわずかな命を反対に捧げたい」と批判の声を上げた。10日、朝日新聞のインタビューに答え、
自らの戦争体験から危険性を訴え、廃止を求めている。
表面上は普通の暮らしなのに、軍靴の音がどんどん大きくなっていったのが戦前でした。あの暗く、
恐ろしい時代に戻りつつあると感じます。
首相が集団的自衛権の行使容認に意欲を見せ、自民党の改憲草案では自衛隊を「国防軍」にする
としました。日本は戦争のできる国に一途に向かっています。戦争が遠い遠い昔の話になり、
いまの政治家はその怖さが身にしみていません。
戦争に行く人の家族は、表向きかもしれませんが、みんな「うちもやっと、お国のために尽くせる」
と喜んでいました。私の家は男がいなかったので、恥ずかしかったぐらいでした。それは、教育に
よって思い込まされていたからです。
そのうえ、実際は負け戦だったのに、国民には「勝った」とウソが知らされ、本当の情報は隠されて
いました。ウソの情報をみんなが信じ、提灯(ちょうちん)行列で戦勝を祝っていたのです。
徳島の実家にいた母と祖父は太平洋戦争で、防空壕(ごう)の中で米軍機の爆撃を受けて亡くなり
ました。母が祖父に覆いかぶさったような形で、母は黒こげだったそうです。実家の建物も焼けてしまいました。
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