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★社説:日本と中国―不毛な応酬の悪循環
日本と中国との関係が悪化の一途をたどっている。両国の政治指導者たちの言動には依然、無益な摩擦を少しでもなくそうとする模索がうかがえない。
歴史の禍根やナショナリズムを背負う政府同士が角突き合わせて身動きできないときは、
せめて民間交流で対話の芽を探るのが歴史の教える知恵だ。
だが中国政府は、そんな交流の扉さえ閉ざす動きに出た。
今月、中学生、大学生、そしてメディアの若手記者たちが来日するはずの催しが延期された。
理由は明示されていないが、安倍首相による靖国神社参拝が影響したのは間違いない。
中韓だけでなく、米国の懸念も振り切って首相が強行した独善的な行動を機に、中国も問題をこじらせる悪循環が続いている。嘆かわしい事態である。
日中の非難合戦は、世界を舞台に広がっている。
国連本部では、中国の大使が首相参拝を「国連憲章への侮辱だ」と記者会見で述べ、日本側も反論の談話を出した。
英国の新聞紙上では、双方の大使が互いに相手国を、人気小説ハリー・ポッターの悪役魔法使いになぞらえて論争した。
こんな日中間の子供じみた応酬に、国際社会はどんなまなざしを向けているだろうか。
かたや中国の軍事的な拡張主義。かたや国際常識から外れた首相の歴史認識。
米欧の主要紙の論調は、どちらも憂えつつ、日中の摩擦が東アジアの深刻な波乱要因になっていると強い警戒感を示している。
政治指導者の無責任な行動に振り回されているのは、少しでも円滑な経済・文化交流をのぞむ財界と国民である。
それだけに交流のキャンセルは惜しまれる。(>>2-3へ続く)
朝日新聞デジタル 2014年1月10日(金)付
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