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境内にある「遊就館」の展示内容とあわせて考えれば、その存在は一宗教法人というに
とどまらない。あの歴史を正当化する政治性を帯びた神社であることは明らかだ。
そこに首相が参拝すれば、その歴史観を肯定していると受け止められても仕方ない。
それでも参拝するというのなら、戦死者を悼みつつ、永遠の不戦を誓った戦後の日本人の
歩みに背を向ける意思表示にほかならない。
■外交にいらぬ火種
首相の参拝に、侵略の被害を受けた中国や韓国は激しく反発している。
参拝は、東アジアの安全保障や経済を考えても、外交的な下策である。
安倍首相はこの春、「侵略の定義は定まっていない」との自らの発言が内外から批判され、
歴史認識をめぐる言動をそれなりに自制してきた。
一方、中国は尖閣諸島周辺での挑発的な行動をやめる気配はなく、11月には東シナ海の
空域に防空識別圏を一方的に設定した。
米国や周辺諸国に、無用な緊張をもたらす行為だとの懸念を生んでいる。
また、韓国では朴槿恵(パククネ)大統領が、外遊のたびにオバマ米大統領らに日本の非を
鳴らす発言を繰り返してきた。安倍首相らの歴史認識への反発が発端だったとはいえ、
最近は韓国内からも大統領のかたくなさに批判が上がっていた。
きのうの首相の靖国参拝が、こうした東アジアを取り巻く外交上の空気を一変させるのは
間違いない。この地域の不安定要因は、結局は歴史問題を克服できない日本なのだという
見方が、
一気に広がりかねない米政府が出した「失望している」との異例の声明が、それを物語る。
外交官や民間人が関係改善や和解にどんなに力を尽くそうとも、指導者のひとつの言葉や
行いが、すべての努力を無にしてしまう。