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韓国では1960年代の初め、在日韓国人の会員などを通じて創価学会の信仰が広がり始めた。しかし日本への反発から「倭色宗教」
「歌う宗教」などとやり玉に挙がり、64年には「反国家的、反民族的な団体」として一時的に布教を禁止された。
そこからの「再起」の理由を、韓国の研究者は「教義が韓国人の考え方に合っていた」「一般信者も主体的に信仰へ参加できるスタイルが好まれた」などと分析する。
一方、創価学会広報部は、現地会員の「粘り強い活動」を強調する。30年以上にわたり環境運動や災害救援、慈善バザーなどに力を入れ、
単なる宗教ではなくボランティア団体として、じっくりと韓国社会での立ち位置を獲得したというのだ。
「10人中8人が『創価学会(SGI)』の名を知らないのに、その会員は100万人に達する」
池田氏を取り上げた「月刊朝鮮」も、その「静かな」拡大ぶりを驚きとともに紹介している。
創価学会側は否定するものの、韓国内ではその「政治的影響力」を危惧する報道がされたことさえあるほどだ。
また池田氏が韓国を「文化大恩の国」「兄の国」と呼び、並々ならぬ思い入れがあることは一部では知られている。
特に「歴史認識」問題については、「どれだけ日本が貴国の人々に、非道のかぎりを尽くしたのか」と韓国人学者に語るなど、
何度となく謝罪の言葉を繰り返すとともに、日本人が「正しい歴史認識」を持つことの重要さを説き、そして若い世代の民間交流の必要性を強く主張する。
戦前、ソウルでの生活経験があった父親や、戸田城聖・創価学会第2代会長などからの感化だというが、
こうした姿勢が韓国の識者層に好意的に受け止められる要因となっていることは間違いない。
もちろん、裏を返せばこうした「親韓」は、日本国内からは時に「反日」との批判を受ける。
池田氏の年来の持論である在日韓国・朝鮮人への参政権付与にも、賛否両論は絶えない。
それでも―創価学会広報部の担当者は、「正しい歴史認識」が根本だ、という池田氏の考えを繰り返しながら、言葉を選ぶようにこう語った。
「両国の間にさまざまな緊張があることは、もちろん承知しております。さまざまな政治的な波風はあるかもしれませんが、
それでも我々は、宗教の次元で、韓国との方々と揺るぎない信頼関係を続けていくことができると思っています」