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八幡市教育委員会が2008年度に、中学生の学習のため、全4中学校に導入した
携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」(以下DS)600台が授業で使われずに眠ったままになっている。
市教委が「ゲーム感覚で授業に取り組める」と導入したが、
おもちゃとして扱う生徒が後を絶たず、1~3年間で全校が使わなくなった。
英単語の書き取りなどの反復学習に継続的に取り組む狙いで取り入れた。
学習指導要領に縛られない研究開発学校として文部科学省の指定を受け、
交付金を利用して08年に約600万円で購入した。
中学校では、高校入試向けの英単語ソフトを用い、聞き取った英単語を画面上に書いて学習した。
「語彙(ごい)力が向上した」と報告する学校もあったという。
だが、使用に当たってさまざまな問題が発生した。
指導した教諭たちによると、画面上に手書きする文字を機械が読み取る際に、
「a」と「o」、「u」と「v」などが正しく識別されなかったことがあったという。
また、文字を一つずつ入力していくため、
「英単語を一つの固まりとして理解できないのではないか」と懸念する声もあった。
本体の充電や保管などの手間を理由に挙げる人もいた。
さらに、一部の学校では通信機能を利用し生徒同士でチャットを始めたり、
持参したソフトで遊ぶためなかなか学習に移ることができなかったという。
市内の中学で英語を教える30代の女性教諭は
「学力向上につながるか疑問だった。現場の教師たちの反対もあり、きっちりと使ったのは1年だけだった」と明かす。
市教委学校教育課の担当者は
「教師がDSを『単なるおもちゃ』ではなく、『学習のためのツール』であることをしっかり伝え、
子どもたちもそう認識することが大事」とする。
その上で「今でも学習に十分使える。活用してもらえるよう情報は常に提供していきたい」と話している。
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