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先月亡くなった堤清二氏が辻井喬(たかし)の名で書いた伝記小説「茜(あかね)色の空」を読んだ。
主人公は「アーウー宰相」と呼ばれた故大平正芳元首相。自民党の派閥抗争史を象徴する政治家だが、
四国の貧農の家に生まれ、苦学したクリスチャンでもあった。
そんな大平氏が多くの文章を残している。「政治はあくまで『お手伝い』の役割」。「政府に不満をもち、
政府に抵抗する民族であって、はじめて本当に政府と一緒に苦労して、次の時代をつくれる」。
戦後日本を共に歩んできた国民への信頼がある。
与党の強行採決によって特定秘密保護法が成立した。「反対者はいつまでも反対」ということらしい。
そうだろうか。
もっとシンプルに外交や安全保障に秘密保護の範囲を絞るなど懸念を払拭(ふっしょく)する努力はできたはず。
「絶叫はテロ」という発言も出た。要は国民を信頼していないのではないか。泉下の大平氏はどう思うだろう。(相本康一)
=2013/12/10付 西日本新聞朝刊=
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