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★【産経抄】11月27日
「傍若無人」とは日本では、他人の迷惑を顧みない勝手な振る舞いに対し使われる。ところが中国ではもともと、
他人に遠慮せずに感情を表すというほどの意味だという。渡辺紳一郎氏が『東洋古典語典』の中で解説していることである。
▼なるほどそれなら、他国の空をまるで自らの空であるかのように「傍若無人」な防空識別圏を設けて、平気でおれるはずである。
だが怒っているのは日本や米国だけではない。韓国国防省の報道官も「中国が一方的に設定したもので、認められない」と反発している。
▼韓中両国がともに自らの排他的経済水域内と主張する東シナ海の海中岩礁の上空を、防空識別圏に入れたからである。
長年の両国の論争が再燃しそうだ。とはいえ、韓国の反発は遠慮がちに見える。
今のところ政府も「遺憾の意」表明にとどまっている。それもそのはずだ。
▼朴槿恵大統領は就任早々中国を訪問、日本の初代首相、伊藤博文を暗殺した安重根の碑を現場の中国・ハルビンに建てるよう「お願い」した。
中国を怒らせては、安重根の碑も中国との「反日共闘」も台無しになってしまう。そんな「配慮」が透けて見える気がする。
▼だが相手が身を低くしてくれば、一段と居丈高になる。それが中国の流儀であり韓国も何度か痛い目に遭わされたはずだ。
「歴史を直視する」が売り言葉の韓国人であれば、ここは強く出るべきことはお分かりだろう。いや韓国のことを心配している場合ではない。
▼日本も民主党政権時代、150人近い国会議員が膝を屈するように訪中した。
元首相は中国の尖閣棚上げ論に賛同して、はばからない。そんな姿勢が「傍若無人」を招いたのだ。
反省した上で、オールジャパンで対抗していくしかない。
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