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★特定秘密保護法案―民意おそれぬ力の採決
数の力におごった権力の暴走としかいいようがない。
民主主義や基本的人権に対する安倍政権の姿勢に、重大な疑問符がつく事態である。
特定秘密保護法案が、きのうの衆院本会議で可決された。
報道機関に限らず、法律家、憲法や歴史の研究者、多くの市民団体がその危うさを指摘している。
法案の内容が広く知られるにつれ反対の世論が強まるなかでのことだ。
ましてや、おとといの福島市での公聴会で意見を述べた7人全員から、反対の訴えを聞いたばかりではないか。
そんな民意をあっさりと踏みにじり、慎重審議を求める野党の声もかえりみない驚くべき採決強行である。
繰り返し指摘してきたように、この法案の問題の本質は、何が秘密に指定されているのかがわからないという「秘密についての秘密」にある。
これによって秘密の範囲が知らぬ間に広がっていく。
■温存される情報の闇
大量の秘密の指定は、実質的に官僚の裁量に委ねられる。それが妥当であるのか、いつまで秘密にしておくべきなのかを、
中立の立場から絶え間なく監視し、是正を求める権限をもった機関はつくられそうにない。
いま秘密にするのなら、なおのこと将来の公開を約束するのが主権者である国民への当然の義務だ。
それなのに、60年たっても秘密のままにしておいたり、秘密のまま廃棄できたりする抜け穴ばかりが目立つ。
こうして「情報の闇」が官僚機構の奥深くに温存される。
「これはおかしい」と思う公務員の告発や、闇に迫ろうとする記者や市民の前には、厳罰の壁が立ちはだかる。 (>>2-5へ続く)
asahi.com 2013年 11月 27 日(水)付
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