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(>>1の続き)
「最近、英語を勉強しているんだけど、ネットには英語のニュースもドラマもあるし、英語で専門分野も学べるんだ」
「でも、日本にはまだ全然そういうのがないんだよ。大学受験とかでもそういうのがあったら、便利じゃないかな」
ふとした思いつきに友人は賛成してくれ、「一緒にやろう」と盛り上がったが、本気になったのは花房さんだけだった。
その夜。Khan Academyのソースコードをメモ帳に書き写し、プログラミングの勉強を始めた。
「今思うと、JavaScriptの自動生成されたコードだったんですけどね」。目標は、1カ月でサイトを作ること。
翌日から大学に行かなくなった。
■ 「講師になってほしい」 東大生に声かけるも「ボコボコにされた」
「最高の授業を無料で届けたい」―予備校のカリスマ講師の授業を無料公開したかったが、雇うお金がない。
実現性を考えて「東大生が無料で教えるサイト」に転向。ビデオカメラを購入し、空き教室を使って
講義を自ら撮影したが、自分の講義はイマイチだった。
自分の講義には早々に見切りを付け、講師になってくれる学生を探した。人付き合いが苦手で、大学の友人は
2人しかいなかった。2人とも講師になってくれたがまったく足りない。講義で見かけて印象が強かった学生に
、片っ端から声をかけて勧誘した。
影も形もないサイトに興味を持ってくれる人は少なく、勧誘のたびに「ボコボコに論破された」。「ビジネスモデルは?」。
そう聞かれることもあった。「僕は分かった感じで答えるんです。『広告モデルとかね』『最近はフリーミアムというのが
あるんだ。君は『フリー』を読んだかい?』とか」。よく分かっていない大学生同士が、よく分からないまま会話していた。
朝は大学の空き教室で講義を撮影し、昼間は講師を勧誘し、夜はサイトを構築した。食堂での夜から1カ月と
1日経った11月8日早朝、ついに「manavee」を公開。薄い灰色の背景に水色のリンクが並ぶだけの単純なつくりで、
数学と古文、世界史のビデオがそれぞれ5つほど。トップ画面には大きな字で、「manaveeはネットに無料の東進をつくります」と書いた。
「しょぼいサイト」だと自分でも分かっていた。その日のアクセスは数十。「ほとんどが僕だった」(続)