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★発信箱:好都合なあいまいさ=福本容子(論説委員)
テロリスト、と聞けば、とんでもなく危ないやつを連想する。捕まって当然、とも思う。でもテロリストって誰?
こっそり地下で爆弾をこしらえているようなやつら?
この夏、イギリスの空港で飛行機を乗り継ごうとしていた28歳の男性がテロ対策法により当局に9時間拘束された。
テロリスト? ブラジル国籍のデービッド・ミランダさんだ。ジャーナリストのグレン・グリーンワルドさんが同性婚相手。
アメリカによる大規模な盗聴を暴露したエドワード・スノーデン元政府職員の情報をもとに、特ダネを連発した英ガーディアン紙の元記者である。
拘束は、スノーデン元職員からの情報をグリーンワルドさんのために運んでいたかららしい。
結局、逮捕はなく釈放されたけれど、パソコンや携帯電話やデータ類を押収された。ミランダさんは不当だとイギリス政府を訴えた。
政府の言い分は「スノーデン情報の報道はテロ行為になり得る」。あいまいなテロの定義。取り締まる側に便利だ。
日本でも、あいまいで、使う側に便利な法律を安倍政権が作ろうとしている。特定秘密保護法。国の安全のための秘密保護。
もっともな感じの名前だけど、「国の安全を脅かす」の名の下に、何でも秘密のうちに秘密にできる。
秘密とはわからないまま情報を取ろうとしただけで有罪になることも。怖くてみんな調べたり話をしたりしなくなる。権力者に不都合な情報が表に出なくなる。
「著しく不当な方法」を使わなければ心配いらないって。でも何が著しく不当なのかがあいまい。
解釈次第で正当は不当に変わり、ジャーナリストも市民もテロリストになり得る。今抵抗しないと、取り返しがつかなくなる。
毎日新聞 2013年11月15日 00時13分
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