13/10/09 01:59:21.08 +cPIyliX0
>>834の続き
何よりも驚いたのは、冷戦時代に莫大な投資をした CIA等の情報機関を今後は経済回復に利用すべきとの議論であり、
如何に情報機関を活用すれば日本、ドイツの経済力に対抗できるかを真剣に議論している姿を見てゾッとしたのを覚えている。
勿論、筆者が日本人、しかも軍人というのを承知の上で、筆者を交えての議論であり、米国の懐の深さと同時に、
国益追求至上の姿勢に憧憬の入り混じったある種の恐ろしさを感じたものである。
後の米国政策を見てみると、これらの議論内容が荒唐無稽どころか、実際の政策として実行に移された事実に二重に驚いてしまう。
クリントン政権は「経済安全保障協議会」を設置すると共に、CIA本部内に「貿易戦争担当室」を設け、
経済回復を至上命題とした経済戦争と捉え、実行部隊としてCIAを活用するなど、手段を選ばずこの命題を追求すると決めている。
実は CIAの経済活用は冷戦終焉直後から始まっており、クリントン政権は改めて明確にこれを推進したに過ぎなかったことを筆者は後で知った。
92年1月、ロバート・ゲイツCIA長官は次のように述べている。
「これまでCIAの活動は対ソ監視に重点を置いて来たが今後は全力を挙げて、その情報収集と諜報活動の狙いを米国と経済及び技術競争の国に向ける」
またゲイツ長官の前のジェームズ・ウルジー元CIA長官も 2000年3月7日の記者会見で次のように述べている。
「我々は過去にヨーロッパの贈収賄活動をスパイしていた。米国は今もその種の活動の監視を続けていることを期待する」
「他国の民間企業や政府が行っている不正行為の情報を収集することは、ずっと以前から米国政府に容認されてきた」
つまり、これら通信傍受、諜報、情報活動は冷戦後、米国の対外的な貿易戦争のツールとして日常的に用いられてきたのである。
2000年2月、「外国による経済情報収集と産業スパイに関する議会への年次報告」が公表され、
日本始め同盟諸国を含む7カ国を経済情報収集に積極的な警戒対象として名指ししていた事が明らかになった。
同時に電子盗聴網システム「ECHLON」の存在が伝えられ、日本ではマスコミに騒がれた。
これはNSAが運営する暗号解読部隊を発展させた高度な技術を持つ情報機関であり、これが日米の貿易交渉に使われたのではという騒がれ方であった。