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★首相国連演説―平和主義と言うのなら
安倍首相がニューヨークでの国連総会の一般討論演説で「新たに積極的平和主義の旗をかかげる」と表明した。
国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加を図るという。
首相の掲げた「積極的平和主義」とは何を指すのか。
念頭にあるのが、国連の「集団安全保障」的な措置ならば、方向性は理解できる。
その代表的なものがPKOであり、日本も90年代以降、実績を積み重ねてきた。
国連が十分にその機能を発揮していないという現実はあるにせよ、国際貢献をさらに進める道はあるだろう。
自衛隊が任務の幅を広げ、より積極的にPKOに参加することはあり得る。
戦闘に参加しない方針を明確にしつつ、国連の承認のもと、自衛隊が中立、公平な立場で平和構築にかかわるのは意義深いことだ。
だが首相の言う積極的平和主義は、そこにとどまるのか。
気がかりなのは、首相が前日に米国の保守系シンクタンクで講演した際、「集団安全保障」だけでなく「集団的自衛権」にも触れながら、
積極的平和主義を唱えていたことだ。
日本にとって集団的自衛権は、主に日米同盟にかかわる概念である。国際社会が一致して取り組む集団安全保障とは性格が異なる。
講演で首相が強調したのは、米国主導の安全保障の枠組みの中で、日本が同盟国らしい役割を果たす決意だった。
安倍政権が集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しをめざすのは、中国の軍事大国化に対応し、日米同盟の抑止力を強化する狙いがある。
世界に展開する米軍と一体化した自衛隊の支援にも道を開く。さらには多国籍軍への参加も視野に入るかもしれない。(>>2-3へ続く)
asahi.com 2013年 9月 28 日(土)付
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