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多くの薬剤をカクテルや七味のように用いる「他剤併用」は、治療効果が低いとして戒められているのが、現代の精神医学の流れです。
しかし精神科医に対しては「薬を出すしか能がない」「次々と新しい薬を出してくる」「薬をなかなか減らしてくれない」という批判があるのも事実です。
わたし自身も、批判があるのも仕方がないという認識を持っています。
理由は、二つあります。一つには、薬物療法の技量が疑われる一部の精神科医の存在です。
二つ目の理由として、製薬会社によるキャンペーンに医師が無批判に従っていることが挙げられます。
製薬会社が医師、ひいては患者に影響力を与えるのです。
映画「サイド・エフェクト」のように、新薬による副作用の問題が生じているのも事実です。
「SSRIの発売は、どの先進国においても、うつ病患者の急激な増加を引き起こすのである。」 (「なぜうつ病の人が増えたのか」より)
別種の問題も生じてきています。それは、新薬の「データの信憑性」という問題です。
データが捏造されていた降圧薬「バルサルタン事件」で、日本の臨床研究データの信頼性は大きく失墜しました。
製薬会社のパンフレットに、長年にわたって頻回に顔出しで登場する医師は「御用医者」と疑い、
客観的に自分の目でデータを見る能力が必要になります。
精神科の医療報酬では「通院精神療法」が重要な報酬源です。
「たくさんの患者を診た方が儲かる」「ていねいにじっくり診ると儲からない」という法則です。
短時間で済ませる治療のほうが経営上は明らかに効率的です。
患者さんの待ち時間が増えればクレームも来るでしょう。
反医学・反薬剤・反精神医学を叫ぶ書籍がベストセラーになっています。
適切な医療を受けるべき人が断定本を誤って信じ込み、不幸な結果に終わる例も存在します。
製薬会社をすべて悪と決めつけるのも、極論です。
わたしも、薬剤がなければまともな診療はできないと考えています。
厚生労働省が先導してガイドラインを作ることが必要になるかもしれません。
患者さんのほうでは、多種他剤を次々と処方していく精神科医を選別する必要があると思います。
URLリンク(bylines.news.yahoo.co.jp)より抜粋