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○「ヒトラーはロマを十分に殺さなかった」発言で仏議員の捜査開始
フランスの捜査当局は23日、ナチス・ドイツ(Nazi)のアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が
ロマ民族を「十分に殺さなかった」と発言したとされる国会議員について、「人道に
対する罪の擁護」の疑いで捜査を開始したと発表した。
問題の発言をしたとされるのは、仏西部ショレ(Cholet)の首長も務めるジル・ブルドゥレックス
(Gilles Bourdouleix)下院議員。マニュエル・バルス(Manuel Valls)内相は捜査当局の発表に
先立ち、発言に対する「重い処罰」が妥当との意見を述べていた。同議員が裁判で有罪に
なれば、最大で禁錮5年と罰金4万5000ユーロ(約590万円)が科される可能性がある。
地方紙「Courrier de l'Ouest」のウェブサイトで公開された録音によると、ブルドゥレックス
議員は21日、違法に野営地を設営していたロマ民族の人々に対し、「ヒトラーは十分に
殺さなかった」と発言したとされる。発言の前、ロマの人々は同議員に対して「ナチス式の
敬礼」をしたという。
ロマ民族は、数百年前にインドを離れた人々を起源とする放浪の民。長きにわたり差別を
受けてきた歴史を持ち、軽犯罪の取り締まり対象になることも多い。第2次世界大戦中には、
ユダヤ人や同性愛者らと共に、数十万人がナチス・ドイツにより殺害された。
ジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)首相はブルドゥレックス議員の発言について
「選挙で選ばれた議員としてふさわしくない」もので「法によって罰することもできる」と述べた。
また、同議員が所属する中道派・民主独立連合(UDI)の党内からも批判の声が上がっており、
同議員は離党を強いられる可能性がある。
一方、ブルドゥレックス議員は、発言は文脈から切り離されたもので、録音も改ざんされている
と主張している。同議員は2010年11月、ロマ民族の野営地にトラックで突っ込むと脅した他、
2012年11月にもフランスはロマ民族により「新たな侵略」を受けていると発言するなど、
ロマ民族に関する発言が問題になっていた。
□ソース:AFPBB
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