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★社説:衆参ねじれ解消 熱なき圧勝におごるな
政治の安定、そして着実な改革を求める民意の表れであろう。
参院選は投開票の結果、自公両党が70議席を超す勝利を収め衆参両院の与野党ねじれ状態の解消が決まった。
第2次安倍内閣は衆院が解散されない限り約3年、政権運営を主導できる基盤を得た。
経済を重視した政権運営への評価とともに、野党が批判票の受け皿たり得ない状況が自民の圧勝を生んだ。
この結果を有権者から白紙委任を得たと錯覚し、数におごるようではただちに国民の信頼を失う。改革実行にこそ衆参両院の与党多数を生かしてほしい。
◇政治の安定求めた民意
投票率が伸びない中での「熱狂なき自民圧勝」が衆院選、東京都議選に続き繰り返された。
自民党の獲得議席が60を超すのは「小泉ブーム」に沸いた2001年以来だ。
安倍晋三首相が掲げる経済政策、福島原発事故を踏まえたエネルギー政策の是非など幅広い課題が問われた選挙戦だが、最終盤はむしろ野党同士が攻撃し、
つぶし合う状況になった。
自民党の1強が際立ち他党との均衡の崩壊すら感じさせる選挙結果がなぜ導かれたのか。第一の要因は首相の政権運営に対する国民の期待感の継続である。
衆参ねじれは野党の健全なチェック以上に政治の混乱を印象づけた。自公の政権奪還以来、円高は修正され株式市況は好転、与党の内紛も目立っていない。
多くの有権者は実際に「アベノミクス」の恩恵をこうむったわけではあるまい。それでも自民党が相対的に安定しているとの思いから1票を投じたのではないか。
同時に、有権者の政治離れの中での圧勝という危うさも指摘しなければならない。(>>1-5へ続く)
毎日新聞 2013年07月22日 03時46分
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