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世紀の大接戦に世界が注目した二〇〇〇年の米大統領選で、ゴア候補はフロリダ州の開票をめぐり幾つかの地域で
数え直しや投票無効を求め、ブッシュ候補に食い下がりました。サンフォードに郡庁を置くセミノール郡もその一つでした。
十二年余の時を越え、そのサンフォードが再び注目を浴びています。丸腰の黒人少年を射殺し殺人罪に問われた被告の裁判で、
当地の陪審が下した無罪評決は「人種差別」として、全米に抗議行動が広がっているからです。もう何度繰り返されたかしれない
米社会の根深い対立の構図です。
一体何度繰り返せばいいのか。いじめを苦にした名古屋市の中学生の自殺もそうでしょう。個別の事実関係は別にして、
差別やいじめがやまず、子どもたちの未来を奪い続ける社会の裏には、選挙目当てで目先の権益や支配力を追い求めるだけの
政治の短慮が透けて見えます。未来世代の望みや痛みには目もくれずに。
あの大統領選で結局勝利したブッシュ政権が行き着く先はイラク戦争でした。選択が違えば、失われずに済んだかもしれない幾多の若い、
幼い命が戦火に消えていきました。選択の日を前に、未来を選択することの重さを思います。
(名古屋本社編集局次長・喜聞広典)
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