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日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の唐突な問題提起をきっかけに、
慰安婦問題をめぐり国内外で刺々(とげとげ)しい言葉が飛び交い、ぎすぎすとした対立が目立っている。
もとより、降りかかる火の粉は払わなければならない。「強制連行の証拠はない」「慰安婦は性奴隷ではない」など正当な主張は、百万回でも繰り返すべきである。
とはいえ、正しいことをただ生硬に訴え続けるだけでは、初めから旧日本軍に悪いイメージを抱き、しかも熱くなっている相手を説得するのは難しいだろう。
こじれにこじれたこの問題を、どこから解きほぐせばいいのか。そんなことを思うにつけ、
16年前の平成9年にインタビューした直木賞作家で在日韓国人2世でもあった故つかこうへい氏の言葉を思い出す。
当時も慰安婦問題が日韓間で政治問題化していた。そんな中でつか氏は『娘に語る祖国 満州駅伝-従軍慰安婦編』という著書を書くため、
元日本軍兵士や慰安所関係者らへの取材を重ねたという。
「僕は『従軍』という言葉から、鎖につながれたり殴られたり蹴られたりして犯される奴隷的な存在と思っていたけど、実態は違った。
将校に恋をしてお金を貢いだり、休日に一緒に映画や喫茶店に行ったりという人間的な付き合いもあった。
不勉強だったが、僕はマスコミで独り歩きしているイメージに洗脳されていた」
つか氏はこう語った。作家の偏見を排した冷徹な目で少し調べると、マスコミ報道とは異なる実態が見えてきたというのである。
また、つか氏は自らの当初の「思惑」も「知識不足」も隠そうとしなかった。
「悲惨さを調べようと思っていたら、思惑が外れてバツが悪かったが、慰安婦と日本兵の恋はもちろん、心中もあった。
僕は『従軍慰安婦』という言葉が戦後に作られたことや、慰安婦の主流が日本人だったことも知らなかった」
産経新聞 6月24日(月)12時15分配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
(続)