13/06/05 17:48:51.96 0
◇デスク日記
動揺したのだろう。カメラのファインダーがぶれていた。こんな発言を聞いたからだ。
「えー、皆さんの中で新聞を取っている方は…。まあ、いないでしょうけど」
5月初めに福岡市で開かれた広告業界のセミナー。講師役のインターネット通販企業幹部が発した言葉だ。
聴講者約50人は、ネット関連企業や広告・営業部門で働く優秀そうな人たちばかり。講師の言葉は
会場に何の違和感もなく流れ、「常識」のように共有されていた。どぎまぎしているのは自分だけのようであった。
ジャーナリズムを守るためにも、商品やサービスを世に広めるための媒体として、新聞という存在が広く
認知されなければいけないと思っている。その存在感を守るためにも、質の高い記事を書こうとも思っている。
でも、その日肌で知ったのは、経験したことがない「孤独感」だった。 (川合秀紀)
=2013/06/05付 西日本新聞朝刊=
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