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朝日新聞2013年03月04日(月)朝刊「声」欄より
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大気汚染防止で中国に協力を
中学校教員 山口聡嗣(三重県桑名市 52)
中国から招かれざる客が日本にやってきている。微小粒子状物質PM2・5の飛来である。
PM2・5は中国で深刻な大気汚染を引き起こしているが、花粉よりさらに小さく、
肺の奥深くに入って呼吸器や循環器系の病気のリスクを高めるという。
九州から関東、さらには東北にまで被害は及び、
環境省は外出を控えるなどの注意を必要とする暫定的な指針値を決めた。
だが、ほとんどの人は勤めに行かなければならない。
微粒子を通しにくいマスクをするなど完全防備で外を歩き、
家に帰った時には掃除機で服を吸うようなことまでしなければならないのか。
テレビのニュースで中国の光景を映し出していたが、
かすみがかかったように真っ白で大気汚染は想像以上のようである。
中国政府もここいらで、越境汚染防止に本気を出してくれないものだろうか。
日本でも高度成長期には経済優先で、各地に公害が広がった。
ディーゼル車の排ガス規制が遅れたのも業界からの圧力のせいともいう。
しかし、良識ある人たちの努力で被害を克服してきた。そのノウハウを日本は提供できるのではないか。
中国側と協力を深め、一日も早く正常な環境に戻していきたいものだ。
山口聡嗣
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