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「メタボリック症候群対策に効果がある」と、「トマトブーム」が続いている。
トマトジュースなどでは「特需」が起こり、飲料大手のカゴメは2013年3月期決算で創業以来、過去最高益をたたき出した。
トマトブームのきっかけは、2012年2月に京都大学とキッコーマン傘下の日本デルモンテが発表した研究にある。
京大大学院の河田照雄教授らがトマトの実とジュースの成分を分析したところ、
脂肪の燃焼を促進する不飽和脂肪酸の一種(リノール酸誘導体)が含まれていることを突きとめた。
この物質を化学的に合成し、肥満マウスに与えたら、4週間で血液と肝臓の中性脂肪が約30%減少したという。
トマトにはカロテンやリコピンなどの抗酸化機能のある成分も含まれており、それが脂質異常症や糖尿病にも効くといわれている。
この研究で、改めてトマトが健康によいことが確認された形だ。
これをきっかけに、生鮮トマトやトマトジュース、ケチャップなどを買い求める人が相次いだ。
トマトはそのまま食べてもよし、ジュースにして摂ってもよし、煮ても焼いてもいいので料理にも使いやすい食材でもある。
なじみがあり、使い勝手のよい野菜であることが息の長いブームとなっている要因のようだ。
こうした「空前」のトマトブームを背景に、飲料大手のカゴメの2013年3月期決算は、
当期純利益が前期比53.7%増の64億円になり、1899年の創業以来の最高益となった。
売上高は9.0%増の1962億円で、増収増益だった。
なかでも、トマトジュースは全国で一時品薄になるほどの人気を集め、
売上高は通期で5割増。相乗効果で、野菜飲料全体も過去最高の960億円を記録した。
同社によると、トマトジュースの売り上げのピークは1970年代後半。
80年代に入ると野菜ジュースを含め、さまざま飲料が登場して需要が縮小した。
2011年はピーク時の4割まで落ち込み、ここ数年は需要層の多くをヘビーユーザーが占めていた。
ブームに乗って「トマトフェア」などの露出機会を増やしたことで、「子どもの頃に、よく飲んでいたという消費者が戻ってきた」と、カゴメはいう。
昔からの、ノーマルタイプのトマトジュースが一番売れているそうだ。
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