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保護された男児が1カ月たっても身元不明 東京・新宿
毎日新聞 2003/2/8 11:38
昨年暮れ、東京・新宿のJR新宿駅で12~13歳とみられる男の子が保護された。知的障害があるのか言葉が話せず、1カ月以上たっても名前すら分からない。「赤ちゃんならともかく、こんな大きな身元不明児は初めて」。関係者は心を痛めている。
男児が保護されたのは暮れも押し迫った昨年12月30日午後8時ごろ。JR新宿駅南口の改札付近で、1人でふらふらしていた。身長147センチ、体重32キロ。
えんじ色のチェック柄シャツにグレーのベスト、紺のジーンズ姿で、黒の運動靴をはいていた。寒い駅構内なのに防寒用コートの類は着ていなかった。
東京都児童相談センターは警視庁新宿署に保護願の照会をしたが「該当者なし」。照会を全国にまで広げたが無駄だった。
「3学期が始まれば何か情報が届くかも」と心待ちにしていた職員の期待も、2月に入ってしぼんでいる。
唯一の手掛かりは、着ていたシャツのタグがハングルで書かれていたこと。韓国語で「椅子に座って」などと話しかけると、時折反応した。
また韓国語の歌に表情が和らぐこともあったという。だが、韓国大使館に問い合わせても「氏名が分からないと調べようがない」 という返事だった。
現在は都内の知的障害児施設で生活している。当初は泣くことも多かったが、最近は職員に甘えたり、子供らしい笑顔を見せるようになってきたという。
同センターの芹沢潔・相談係長は「この子の保護者は何か事情があって名乗り出ることができないのかもしれない。このままでは、名前も、正確な年齢も分からないままで可哀そう。どんな形でもいいので連絡下さい。相談に乗ります」と話している。
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