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別人になりすまして生活保護費をだまし取ったとして、
埼玉県警草加署は１５日、同県八潮市南後谷、無職林孝純容疑者（７６）を詐欺の疑いで逮捕した。
発表によると、林容疑者は２０１１年１～５月、架空人名義で八潮市から
生活保護費約５８万円をだまし取った疑い。調べに対し、「本名で年金を
受給しており本名を言えば年金をもらっていることがばれると思った。
金は生活費に使った」などと話しているという。
同署や市の説明によると、林容疑者は０５年８月から１１年５月まで、
架空人名義で約８５６万円の生活保護費を受給していたほか、
本人名義で約７５７万円の年金も受給していたという。市は年金のうち、
時効分を除く約５９６万円を不正と認定し返還を求める方針。
市社会福祉課によると、林容疑者は０５年８月に同課の窓口を訪れ、
生活保護を申請した。その際「戦争孤児で戸籍がない」などと話していたという。
市は林容疑者の身元を確認せずに困窮状態にあると判断し、同月から保護費の
支給を始めた。１１年５月、市の別の部署から「生活保護受給者と住所が同じで、
似た名前の人物が年金をもらっている」という情報提供があり、
林容疑者に事情を聞いたところ不正を認めたという。
市は昨年５月、同署に詐欺の疑いで告訴した。
同課の峯岸恒元課長は「申請者の生活状況が苦しい場合、身元の確認が不十分でも支給せざるを得ない。
最初に偽名を使われると防ぎようがない」と話している。
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