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サンフランシスコ講和条約が発効した4月28日に、政府主催で開かれる「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」には、根本的な疑問がつきまとう。
はっきり言ってこの式典は政府主催の行事にはなじまない。安倍政権は自らの勇み足を認め、政府式典を取りやめたほうがいい。
そもそも天皇・皇后両陛下は、式典出席を望んでいるのだろうか。あえて推測すれば、とてもそのようには思えない。
昭和天皇は戦後、全国各地を巡幸し、戦後巡幸が一段落した後も、国体や全国植樹祭などの行事に出席するため各県を訪問した。
だが、激しい地上戦の舞台となり米軍政下に置かれた沖縄には、戦後、一度も足を運んでいない。
1975年初訪米の際、「米国より先に沖縄にいくことはできないか」との意向を周辺に漏らしたといわれるが、沖縄に反対論が根強く、実現しなかった。
87年に開かれた第42回国民体育大会(海邦国体)への出席も、病気のため急きょ取りやめになった。戦争責任の問題も、
米国による沖縄の長期占領を進言した「天皇メッセージ」の問題も、ついに本人の口から語られることはなかった。昭和天皇の晩年の歌が残っている。
「思はざる病となりぬ 沖縄をたづねて果たさむ つとめありしを」
現在の天皇の沖縄訪問は、皇太子時代を含めると、すでに9回。昭和天皇が果たせなかった「つとめ」を自分なりに意識して果たそうとしているようにも見える。
沖縄タイムス 4月15日(月)9時27分配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
(続)