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14日投開票された兵庫県伊丹・宝塚両市長選は、大阪府外の首長選で初めて公認候補を立てた日本維新の会の惨敗に終わった。
維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は、党の看板である公務員批判と役所改革一辺倒の主張を展開したが、支持を広げられなかった。
橋下氏は15日、「コミュニケーションをとれていなかっただけだ」と強調したが、夏の参院選への影響を問われた松井一郎幹事長は
「そりゃありますよ」と認めざるを得なかった。兵庫県知事選も含め、戦略の見直しを余儀なくされるのは必至だ。
「橋下氏と戦っているようだった」。伊丹市長選で3選を果たした藤原保幸さん(58)は14日夜、選挙戦を振り返った。
宝塚市長選で再選した中川智子さん(65)も「橋下氏が『僕は宝塚市民になりたくない』と言ったと聞き、怒りでいっぱいだった」と述べた。
橋下氏は選挙期間中に2度現地入り。告示日には「公務員の給料は高すぎる。なぜ怒らないの?」と、有権者の不満をあおった。
公務員改革は、今月1日に関連法案の検討を国会議員団へ指示するなど、参院選でも強く訴える戦略だ。
だがその他の市政への認識は浅く、壇上で候補者に状況を教えられながら演説するほど。
陣営関係者からも「市長選なのに、役人の給料のことばかりでいいのか」と、懸念が漏れていた。
橋下氏が将来の伊丹空港廃港を唱えていたことや、党幹部が阪神地区などを「特別区」に再編する将来構想を選挙前に披露したことも響いた。
選挙戦最終日、橋下氏は「二つの誤解を解く」と釈明。しかし、民営化された以上は空港会社が廃港の是非を決めるという橋下氏の主張は、
当初党内でさえ共有されていなかった。特別区問題も「(道州制導入後の)関西州のことを言ったまで」と説明したが、
伊丹市の無職女性(75)は「私は伊丹で生まれ育ったから『維新改革』は大阪でやって」と突き放した。
宝塚市長選で敗れた維新の多田浩一郎さん(40)は14日夜、「自民党が高い評価を受け、維新に期待が集まりにくかったのかもしれない」と力なく語った。
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