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・「耳を疑ったがエープリルフールにはまだ間がある」。朝日新聞の「天声人語」の筆鋒(ひっぽう)は鋭かった。
その矛先となった兵庫県小野市の条例が27日、市議会本会議で可決し、来月1日から施行される。
▼生活保護などの受給者が、ギャンブル依存で浪費しないように、浪費を見つけた市民に情報提供を求める
というものだ。今月初旬のコラムで、詩人の堀口大学を登場させて批判していた。もっとも小欄には、条例が
それほどの「悪法」とは思えない。
▼詩人にはこんな作品もある。「一度でいいから他(た)の場所で こころ静かにさがしてみては? 君の詩を、
心にともす君の灯(ひ)を さがしてみてはどうだろう?」。『若い君に』の一節だ。若者に限らず、当面の生活の
心配がなくなった受給者には、パチンコ、競輪、競馬以外の場で、さがすべきものがある。
▼確かに市民が情報を提供しようとしても、パチンコ店で受給者を判別できない。ただ市の狙いはあくまで、
自立支援という生活保護のあるべき姿の啓蒙(けいもう)だ。社会の理解が深まることで、本当に必要な人が
世間の目に萎縮することなく、申請できるようになる。
▼ギャンブルだけではない。アルコール依存から受給者を「保護」するためにも、食事券などを使って現物で
支給すべきだ。そんな意見が、現場をよく知る識者からも上がっている。
▼条例可決と同じ日、札幌地裁で注目の判決が下された。北海道滝川市の夫婦が、生活保護のタクシー代
約2億4000万円を不正受給した事件をめぐる裁判だ。見逃した市の幹部2人の過失を認め、計1億円の
賠償を求めるよう市に命じた。自治体の福祉担当者にとって、こちらのニュースの衝撃の方が大きいかもしれない。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
※天声人語より抜粋
▼小野市が議会に条例案を提出した。受給者がパチンコなどで浪費しているのを見つけた市民に通報を義務
づけるのだという。耳を疑ったがエープリルフールにはまだ間がある
▼生活保護切り下げについて、受給女性。「受給者は楽しみを持ってはいけないのでしょうか。
貧しい気持ちを持ったまま、暗く生きていかねばならないのでしょうか」。身に染む声ほど小さく震える。