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■「年収の2年分」が金銭解雇の基準
◆雇用制度改革会議 議論の中心は「金銭解雇ルール」の創設[週刊ポスト 2013年3月29日号]
さる3月6日、産業競争力会議の「雇用制度改革」分科会の第1回会合が開かれた。そこで議論の中心になったのが、経済界の悲願である「金銭解雇ルール」の創設だ。
産業競争力会議でテーマになっている金銭解雇ルールとは、企業が『転職支援金』などの名目で一定の金額さえ支払えば自由に社員のクビを切れるようにするもの。
この雇用制度改革は安倍首相にとって6年前に失敗したいわくつきの政策だ。
『厚労省は第1次安倍政権下の2007年の労働契約法制定の際、「年収の2倍程度」以上の補償金を支払うことで解雇をめぐる労使紛争を解決する規定を盛り込む方針だった』が、
参院選の敗北で叶わず、その後、民主党への政権交代で議論はストップしていた。
政権に復帰した安倍首相はサラリーマンに賃上げの夢を振りまく一方で、「産業競争力強化」の名の下にいよいよその“クビ切り自由化法”制定に動き出したのである。
「年収の2年分」が金銭解雇の基準になるとすれば、年収500万円のサラリーマンが定年まで会社に勤めようと考えていても、
会社が正規の退職金に加えて、1000万円の転職支援金を支払うからといえば、不本意でも退職しなければならない。
「年収の2年分」は失業中が長引けば食いつぶしてしまうし、再就職できても給料ダウンでその後の生活費に消えるかもしれない。
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