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現在、アメリカをはじめとして、世界中でトコジラミ(別名:ナンキンムシ)が
公衆衛生上の大きな問題になり始めている。最新の研究によると、
近年の発生は人間が知らず知らずのうちに手助けした結果であり、
トコジラミはさまざまな方法で
殺虫剤をはねのけるように進化しているという。
研究チームは、アメリカ各地の都市からトコジラミを集め、その遺伝子を分析。
さまざまな方法で、ピレスロイド系の殺虫剤に対する耐性を獲得していることを明らかにした。
ピレスロイド系の殺虫剤は人間やペットにとって比較的安全で、
効果も優れ、しかも低価格なので、トコジラミの駆除に広く利用されている。
しかし、使えば使うほど、耐性を獲得したトコジラミの発達を広範囲で促すことにもつながった。
トコジラミがどのように自分の身を守っているのか調べるため、研究チームは、
ピレスロイド成分に対する耐性を獲得した20種と、カリフォルニア州ロサンゼルスに生息する
無耐性の種について、遺伝子を比較した。
分析の結果、耐性種に過剰に発現しているある種のたんぱく質が判明し、関与する14の遺伝子が特定された。
◆殺虫剤を防ぐよろい
また、分析を進めると、過剰発現を起こす遺伝子はすべて、
耐性種の丈夫な外殻で活動していることがわかった。防御方法についても、ピレスロイドが
効果を発揮する前に中和するケースや、そもそも体内に侵入しないように阻害するケースなどが確認された。
研究チームの一員でアメリカ、ケンタッキー大学の昆虫学者ケネス・ヘインズ(Kenneth Haynes)氏は、
「各地に生息するグループの中で、同時に多様な耐性メカニズムが働いている」と話す。
数百キロ以上隔てた地域の耐性種が、同じ方法でピレスロイドから身を守っているケースもあるという。
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)