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「力のつよい大男が、自分の顔のうたれるのを避けることさえ恐れているのを見たときに私が感じた、
驚きと、いやな気持と、恥ずかしい思いとを、私はいつまでも忘れることができないだろう。
この男は、あわれなけものがおかれている奴隷の身分より、もっといやしい地位に、ならされてしまったのだ。」
「この所有者は、自分の奴隷を呼びあつめ、彼らにしあわせであるかどうかとたずね、自由の身になりたいかときいた。
ところが、奴隷たちは一様に、自由になりたくはありませんと答えたというのである。
ダーウィンはフィッツ・ロイにたいして、たぶん嘲笑をもらしながら、奴隷が主人の前で答える言葉に信用がおけるとお考えなのですか、と問うた。
フィッツ・ロイはひどく腹をたて、君が私の言葉をうたがうなら、もういっしょに航海はできない、と宣言した。」
～ダーウィン『航海記』より。
大昔の黒人奴隷の話なのに、なぜか現代の日本の学校や会社で似たようなことが起こっている不思議。