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「わたくしが皆さんにお願いしたいのは、この国の国際軍事裁判で提示された問題をもっと研究し、
真に国際法を守る法律家になっていただきたいことである。しかもその直接の被害者は日本人であり、
日本国家である。それに、いまなお牢獄に、シベリアに、不公正な裁判の犠牲者として多くの同胞がつながれ、
その家族は悲嘆にくれている。皆さんの兄弟や子孫は、戦犯者としての烙印を押され、いわれなき罪悪にひしがれている。
こうした中にあって、法律の番人であり、法律を守ることを職業とし使命としている皆さんが、
国際法の論争に無関心であるということは、わたくしには信ぜられないことである。どうかプライドをもって、
堂々とこの論争の中に加わっていただきたい。法の真理を守る法律家になっていただきたい。」
「日本とドイツに起きたこの二つの国際軍事裁判を、他の国の法律学者がこのように重大問題として
真剣に取り上げているのに、肝心の日本において、これがいっこうに問題視されないということはどうしたことか。
これは敗戦の副産物ではないかと思う。すなわち一つの戦争の破壊があまりにも悲惨で、打撃が大きかったために、
生活そのものにおわれて思考の余地を失ったこと、二つにはアメリカの巧妙なる占領政策と、戦時宣伝、
心理作戦に災いされて、過去の一切があやまりであったという罪悪感に陥り、バックボーンを抜かれて無気力になってしまったことである。」
1952年大阪弁護士会館でのパール判事の講演より