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長野県が長寿日本一になったが、『週刊新潮』が「馬刺しを食べたことが長寿の秘訣」だったと報じている。
全国平均は男性79.59歳、女性86.35歳だが、長野県は男性80.88歳、女性87.18歳だ。
1日当たりの野菜の摂取量が379グラムと全国平均の301グラムを大幅に上回り、減塩運動が進んだことも寄与しているのだろうが、馬刺しとは意外である。
長野は熊本と並ぶ馬肉消費県なのだ。ここですき焼きといえば牛肉ではなく馬肉のことだそうだ。
一般家庭の食卓に馬肉料理が並べられるようになったのは戦後だといわれている。伊那市内の馬肉料理店「越後屋」の福澤栄治がこう語る。
「食糧難の時代、すき焼き用の肉で牛や豚よりも、馬肉の方が身近で安くて手に入りやすかった。
馬刺しを食べる習慣も、やはり戦後からだと聞いています。海のない長野では、馬刺しが魚の刺身の代替だったのかもしれませんね」
馬肉は非常に栄養価が高く、タンパク質は牛や豚の約2倍も含まれている。その一方で、「馬肉のカロリーは牛肉の3分の1、
豚肉の2分の1。脂質も、牛肉や豚肉の約8分の1にすぎません。つまり、高タンパクで低カロリーなヘルシー食材なのですよ」(日本馬肉協会の沢井圭造理事)
牛肉と同じように馬肉も脂身のサシが入った「霜降り」を喜ぶ人は少なくないが、赤身の方が健康によいと北里大学獣医学部の有原圭三教授がこう説明している。
「馬肉の赤身は、豚や牛の1.5 ~3倍も鉄分が含まれている。しかも、タンパク質と結合しているので体内への吸収効率がよい。
鉄分は、血液中の酸素を運ぶ赤血球の主成分へモグロビンを作るのに必須。鉄分の不足は貧血に繋がるので、馬肉はそれを予防する効果もあります」
さらにリノール酸も豊富だという。「リノール酸は、体温で容易に溶けて体内に蓄積されにくい脂肪です。
必須脂肪酸とも呼ばれていてコレステロール値を下げたり、血液の循環をよくする効果がある。特に、脳卒中の予防には抜群です」(同)
馬肉を食べて馬力をつけている信州人だが、つけた精力を発散する場所は意外に少ないという。
「教育県といわれるように、昔から生真面目な県民気質。県内にはソープランドは一軒もないし、公営ギャンブルや場外馬券場なども全くありませんから、心配無用でしょう」(地元記者)
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