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呉善花 韓国人の「恨」
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呉: 「恨」とは何かを達成できなかったとき激しく恨んだり、自ら不幸を嘆く気持ちですね。
日本人の「もののあわれ」がある種の諦めの境地だとすれば、韓国人の「恨」とは
それとはまさに対照的な精神です。
東日本大震災の際、日本人は誰かを恨むことなく、それを受け止めているように
私には感じられました。
こんなとき、朝鮮半島であれば、まず自然を恨み、神を恨み、災難に遭った
自らの不幸を嘆きます。事態を受け入れることなく、あくまで抵抗するのです。
そこは、そういう神や自然に対して執拗に抵抗し続け、恨み抵抗心をバネにして
生きていくのが人間だという考えがあります。
竹田: 自分の苦しみに関して、自然や神様を恨むということですが、「自分が悪い」という
ことにはならないんですか?
呉: 情緒的にそう思いたくない、ということですね。これは死に限りません。
韓国人は自分の周囲で何か不幸や問題があったとき、自分ではなく、
まず誰かのせいにしようというのが習性になっています。
竹田: そうですか。日本人はどちらかというと、まず自分に問題がないかを考えますよね。
呉: ですから、こうした日韓の国民性の違いを両国民はしっかり認識すべきなのです。
私が日本に来たときにいちばん驚いたのは、日本人が誰もアメリカに対して
「恨」の気持ちをもっていなかったことです。
「戦争はいけない」と、むしろ自国の責任を追及する教育がなされていたりして、
じつに意外な気持ちがしました。