13/03/03 00:13:57.39 zbrxSOJe0
>>302
平成18年 9月25日 東京地裁 判決
平18(刑わ)1463号 業務上過失傷害被告事件
認定事実
優先道路と非優先道路とが交わる交差点において、非優先道路を進行する車両が優先道路に向かって右折
する場合、交差点内に進入する際には徐行した上、優先道路を走行する車両の進行を 妨げてはならない義務
がある(道路交通法36条2項、3項参照)。
被告人の左方の安全確認が必ずしも十分でなかったことは否定できない。
被告人は、本件交差点進入前に右方の安全を十分確認し、 (右)方向から本件交差点に向かって進行して
くる車両が存在しなかったことから本件交差点内に進入しており、少なくとも右方から進行する車両の進行を
妨害しないよう配慮を尽くしていること、〈2〉本件交差点の (優先道路からの通しは)かなり良好であり、(優先
道路)を進行する車両が本件交差点内に一時停止して いる被告人車を発見することは、かなり遠方からでも
容易であったこと、〈3〉被告人は、本件交差点内において、被告人車右後方の歩道側車線上に、A車が安全
に通過できる余地を残して停止していることなどの 本件における事実関係の下においては、被告人は、一時停
止場所から再び発進する時点において、通常予想できない異常な走行をしていたA車が、右折すべく(優先道路)
中央線手前付近で一時停止した 被告人車に衝突する可能性があることまで予見することはできなかったという
べきである。
優先道路を通行していたとはいえ、本件交差点に 進入する場合には、同交差点の状況に応じて通行車両等に
注意し、できる限り安全な速度と方法で進行すべき義務は免れないのであって(道路交通法36条4項)、被告人
において、これを著しく逸脱したA車の ような異常な走行をする車両があることまで予見すべき義務はなかったと
いうべきである。したがって、被告人の左方の安全確認が不十分であったことをもって、被告人に本件事故発生
についての予見可能性・予見義務を認めることはできない。