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・昔からあった読めない名前
秋田大学教授・佐藤稔(日本人の名前研究者)の話
「今時の名前は読むのが大変、というよりも、読むのが大変な名前は昔からたくさんあった」
例えば「和」という字。訓では「なごやか」「なごむ」「やわらげる」だが、名乗りでは「あい・あえ・かず・かつ・かた・かのう・たか・ちか・
とし・とも・のどか・ひとし・まさ・ます・みきた・やす・やすし・やわ・やわら・よし・より・わたる…」と多くの読ませ方を昔からしてきた。
これは、かつて漢字を輸入した時に、漢字の意味に応じて、大和言葉を当てはめたもの。漢字は1文字に複数の意味があるため、
いくつもの読みが生まれた。その多くは、普通の読みとして用いられなくなったが、名前だけには使われ続ける読みとなった。
阿辻哲次氏の補足
「和」を「かず」と読ませるが、「和(わ)」は足し算の答えの数(かず)だから、「和(かず)」と読むことになった。
ひとつの漢字が持つ多用な意味のどこかに寄りかかって、その読みを決めている。
・名乗り読みの多さは歴史的蓄積
読めない名前問題は、日本語が漢字を受け入れたときからの宿命。
歴史的には、菅原道真の「真(さね)」、源頼朝の「朝(とも)」が名乗り読み。
公家や武士が自らを権威付けようとしたとみられる。
江戸時代には名付けのマニュアルとして「韻鏡名乗字大全」という本が大ベストセラーに。
庶民の間で名乗り読みを用いたブームがあった。
国学者・本居宣長は、「玉勝間 十四の巻」の中で
近しきころの名には あやしき訓有て いかにとも よみがたきぞ 多く見ゆる
(最近の名前は変な読み方をして、どうしても読めない名前を多く見かける)
とぼやいている。本居宣長の門下生の名簿「授業門人姓名録」には簡単に読めない名前があちこちにある。
まあ現代だからってことでもねえし、読めない=駄目 ってここでもないんだろけど(;^ω^)
程度はあるわな