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温泉地として有名な箱根の山が不気味な動きだ。先月中旬から地震活動が活発化し、
噴火寸前に見られる「山上がり」(山体膨張)も観測されている。
神奈川県温泉地学研究所によると、1月15日~2月14日に起きた地震の総数は1300回以上。
今月10日には、箱根のロープウエー駅で震度5の揺れが起き、ネット上でも騒ぎになった。
「1月中旬から周辺地震の数が増え始め、その後は増えたり落ち着いたりを繰り返している状況です。
10日にはM2.3の大規模地震が起こっています。群発地震の増加は火山活動中の変化の可能性が高く、
熱水や火山性ガスなどの流体の蓄積が原因と考えられます」(同研究所担当者)
火山周辺では、01年、06年、08~09年にも膨張が見られている。
その上、噴気異常も起きていて、「いよいよカウントダウンか」という声が聞こえるのだ。
箱根山が最後に噴火したのは、約3000年前。このときに大涌谷や芦ノ湖ができたとされている。
長い間休んでいた分、噴火時のパワーは大変なものになりそうだ。
地殻変動解析を専門とする元前橋工科大教授の濱嶌良吉氏がこう言う。
「箱根山は富士山噴火の時より大規模な噴火を起こしています。このときは山の原形がなくなるほど崩れた。威力が強いのです」
噴火活動が始まれば、まずは水蒸気爆発だ。箱根町火山防災マップによれば、火口から噴石や火山灰などが噴出するという。
直径数センチから数十センチの石がコンクリートの天井に穴を開け、火山灰によって呼吸器や目がやられる。
火山灰と空気が混じった「火砕サージ」も怖い。時速60キロ超のスピードで襲ってくるから逃げるのは困難だ。
噴火手前の水蒸気爆発でもこれである。実際に噴火したら、もっと大変である。
過去の噴火では、軽石の塊とガラス質の火山灰が約60キロ離れた横浜市南西部まで達したという。
「関東平野を覆っている関東ローム層は箱根山と富士山の噴火によるもの」(濱嶌氏)というから、東京も被災する恐れは強い。
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